リオ五輪で銀メダルに輝いた山県亮太(セイコー)、飯塚翔太(ミズノ)、桐生祥秀(日本生命)、ケンブリッジ飛鳥(ナイキ)の陸上男子400メートルリレー。愛称は? (c)朝日新聞社
リオ五輪で銀メダルに輝いた山県亮太(セイコー)、飯塚翔太(ミズノ)、桐生祥秀(日本生命)、ケンブリッジ飛鳥(ナイキ)の陸上男子400メートルリレー。愛称は? (c)朝日新聞社
いくつ知ってる?主な日本代表の愛称(AERA 2018年8月6日号より)
いくつ知ってる?主な日本代表の愛称(AERA 2018年8月6日号より)

 各競技の代表チームの多くには愛称がつけられている。○○ジャパンに○○ニッポン。みなさん、いくつわかりますか?

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 さて、問題です。彗星ジャパン、アカツキファイブ、雷神ジャパン。これらはどの競技の日本代表のことでしょうか──。こんなクイズで遊べるほど、日本代表の愛称は多彩だ。

「彗星」は男子ハンドボール。日本ハンドボール協会が1千通の応募から選び、今年6月に発表した。「スピーディーな動きと力強いシュートの軌跡を象徴」(同協会)し、光輝くチームになる決意も込めた。実はこれで、2020年の東京五輪で実施される全ての団体球技で愛称が出そろった。ちなみに女子は「おりひめジャパン」。1チーム7人なので、7月7日の七夕にかけているそうだ。

「アカツキ」は「ファイブ」がヒント。1チーム5人がプレーするバスケットボールの男女日本代表のことだ。16年にそれまでの愛称「ハヤブサジャパン」から変更した。夜明けを意味する「暁」は日の丸にも通じる日本を象徴しているそうだ。

 そして「雷神ジャパン」は東京五輪の新種目、空手の男女日本代表の愛称だ。全日本空手道連盟によると、稲妻の閃光が空手のスピード感に通じるほか、英語の「ライジング」の意味、「太陽が昇る」が「日ノ本の国の代表にふさわしい」という。このほか、左の表にあるように多くの愛称がつけられている。なぜこんなに増えたのか。

「『なでしこ』の成功に刺激を受けたから」と解説するのはスポーツジャーナリストの生島淳さんだ。

 サッカー女子の「なでしこジャパン」は、04年のアテネ五輪の直前に一般公募で約2700通から決定した。同五輪は8強入り。11年のワールドカップでは初優勝という歴史的快挙を成し遂げ、「なでしこジャパン」はその年の新語・流行語の年間大賞にも選ばれた。

 ただ、なでしこほど市民権を得た愛称は多くない。生島さんによると、愛称は使われ続けて定着するもの。野球の「侍ジャパン」は毎年国際大会があって浸透してきたが、他の競技は4年に1度の五輪のときぐらいしか使われないため、なかなか定着しないという。

 また「競技の魅力とリンクした愛称であること」(生島さん)も浸透しやすいポイント。なるほど、ギリシャ神話の海の神「ポセイドン」(水球)や妖精を意味する「フェアリー」(新体操)はイメージに合っていて、五輪のときにはよく見聞きする。ただ、16年のリオ五輪で銀メダルに輝いた陸上の男子リレーの「韋駄天スプリンターズ」は、ほとんど使われなかった。足の速い神様の「韋駄天」はイメージにぴったりだが、「文字数が多いと新聞やテレビでは使われにくい」(同)という面もあるようだ。

 ジャパンではなく「ニッポン」にこだわる競技もある。「バレーボールは男子が金、女子が銀だったミュンヘン五輪(72年)の頃が最も強かったことも影響しているのでは」(同)

 愛称が被っているケースもある。「サムライ」は3競技が、「サクラ」はラグビー女子とホッケー女子が使用。活躍するほど混乱してしまいそうだが、はたして2年後の東京五輪・パラリンピックではどの愛称が席巻するか、注目だ。(編集部・深澤友紀)

AERA 2018年8月6日号