それまで監督の求めるものや、カット割りでの見え方を意識しながら演技することも多かったが、

「何も考えず、そのシーンごとに生まれるものをキャッチするだけでいいと思ってました。あまりにも何も考えず芝居をしていたので、別の現場に出たとき『あれ、俺、芝居が下手になったのかな』って(笑)。芝居をする上で、本当に幸せな空間をみんなで作れたと思います」

 芝居でも人付き合いでも「空気読んじゃうタイプ」。共演者の輪に入る時も、ついつい自分のポジションを考えてしまうのだとか。他のキャストから1カ月遅れて現場入りした新ドラマの撮影現場でも、吉岡里帆ら若いキャスト同士が盛り上がるのを、少し遠目から見つめている。

「まずは早く馴染んで、みんなと夏を笑って過ごしたいですね」

(ライター・市岡ひかり

※AERA 2018年8月6日号