米国でもブーム “小屋”で問い直す生き方 (2/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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米国でもブーム “小屋”で問い直す生き方

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編集部・石田かおるAERA
【小屋は暮らしを問い直す道具】タイニーハウスビルダー 竹内友一(たけうち・ゆういち)さん/1974年、東京都生まれ。20歳で渡欧。イギリス、オランダでプロダクトデザインを学ぶ。28歳で帰国後、人と自然をつなぐ企画やツリーハウス、タイニーハウス建築へ。2010年、ツリーヘッズ設立(撮影/写真部・大野洋介)

【小屋は暮らしを問い直す道具】タイニーハウスビルダー 竹内友一(たけうち・ゆういち)さん/1974年、東京都生まれ。20歳で渡欧。イギリス、オランダでプロダクトデザインを学ぶ。28歳で帰国後、人と自然をつなぐ企画やツリーハウス、タイニーハウス建築へ。2010年、ツリーヘッズ設立(撮影/写真部・大野洋介)

 タイニーハウスやツリーハウスなどの小屋建築を手がける竹内さん。山梨県北杜市の作業場を訪ねると、車輪のついた木作りの小屋が停まっていた。森のなかからひょっこりと遊びにきたかのように見えた。無垢の木肌の風合いが、森や人と共にしてきた時間を感じさせるのだ。

 小屋の中に入ると、友だちの家に招かれたような親密感に包まれる。7平米の空間に、好きなものを凝縮した小宇宙だ。

「ここに置いてあるもののほとんどは、人からもらったもので、それぞれに物語があります」

 竹内さんはそう語る。水が使え、料理もできる。車につなげて移動すると、ガタゴト音をたてながら小屋がついてくる。気に入った場所にいつでも停め、くつろげる爽快感は格別だ。アメリカのタイニーハウスはこうした車輪つきのものが多いが、それには移動以外の理由もある。

「アメリカの建築基準では10平米程度の家は小さすぎて違法になる。車輪をつけることで車両扱いにしたりしているが、グレーゾーンで、タイニーハウスの法整備はいま進められているところです」(竹内さん)

 竹内さんは、アメリカのタイニーハウスで暮らす人たちを訪ね、映画「simplife」も制作。17年春、公開し、このモバイル小屋とともに全国54カ所をまわった。

「日本では小屋というと、“小さい”とか“安い”とか、外形的なハード面の話になりがちですが、小屋で最も大事なのはそれを作るプロセスです」

 自分にとって本当に必要なものは何か。暮らしをダウンサイジングし、ものを取捨選択する過程で、自らの生活や生き方を問い直すことになる。

「小屋を作ったからといって一生住み続けないといけないものでもないですし、小屋に住まなくても“小屋的な暮らし”はできます」

 今後は小屋が集い暮らせるコミュニティーの設立や、ボートハウスなども手がけてみたいと竹内さんは言う。

「ボートハウスはなぜかって?面白そうじゃないですか(笑)」

(文中一部敬称略)(編集部・石田かおる)

AERA 2018年7月30日号より抜粋


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