米国でもブーム “小屋”で問い直す生き方 (1/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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米国でもブーム “小屋”で問い直す生き方

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編集部・石田かおるAERA
【小屋は暮らしを問い直す道具】タイニーハウスビルダー 竹内友一(たけうち・ゆういち)さん/1974年、東京都生まれ。20歳で渡欧。イギリス、オランダでプロダクトデザインを学ぶ。28歳で帰国後、人と自然をつなぐ企画やツリーハウス、タイニーハウス建築へ。2010年、ツリーヘッズ設立(撮影/写真部・大野洋介)

【小屋は暮らしを問い直す道具】タイニーハウスビルダー 竹内友一(たけうち・ゆういち)さん/1974年、東京都生まれ。20歳で渡欧。イギリス、オランダでプロダクトデザインを学ぶ。28歳で帰国後、人と自然をつなぐ企画やツリーハウス、タイニーハウス建築へ。2010年、ツリーヘッズ設立(撮影/写真部・大野洋介)

 3坪=10平米の家なんて「狭い」はず。なのに、なぜかそんな「小屋暮らし」が日本だけでなく米国でもブームだという。特徴は車輪のついた「モバイル小屋」が多いこと。アメリカの最前線を訪ね、映画も制作した、タイニーハウスビルダー・竹内友一さんのモバイル小屋を訪ね、国内外で人気の「小屋の魅力」を聞いた。

【竹内友一さんのモバイル小屋をフォトギャラリーで紹介】


 11年の東日本大震災以降、暮らしを見直し、シンプルでコンパクトな「ミニマルライフ」を志向する新たな流れが出てきた。「小屋」に対する関心もそのひとつで、書店には関連書籍が一角を占める。17 年には無印良品や、建築家の隈研吾さんデザインの小屋も販売されるなど、さらなる広がりを見せている。

 同様の動きは、並行してアメリカでも起きている。大学で美術を教えていたジェイ・シェーファーが約10平米のタイニーハウス(小さな家)を建設すると、00年、雑誌の賞を受賞し注目を集める。07年のサブプライムローンの破綻やハリケーン災害などもきっかけに、豊かさの象徴としての「大きな家」の価値観は揺らぎ、カウンターカルチャーとして「タイニーハウス・ムーブメント」が起きた。

 ムーブメントの立役者のひとりにディー・ウィリアムズがいる。心臓病が見つかったことをきっかけに、彼女は人生の最期を考えることになった。世界的に人気のTEDxの講演で彼女は聴衆にこう呼びかけた。

「人生最期のとき、あなたが手元におきたいものは何ですか? 過ごしたいのはどんな場所?」

 人間の尊厳や愛について考えるうち、ウィリアムズがたどりついたのは「タイニーハウスを建てること」だった。04年、140平米の家を手放し、友人宅の裏庭に約8平米のタイニーハウスを建てて暮らし始めた。

 14年、その講演をユーチューブで見てすぐさまウィリアムズのもとを訪ねた日本人がいる。タイニーハウスビルダーの竹内友一さん(43)だ。

「余分なものをそぎ落とした暮らしに加え、ものを手放すことで得られる可能性や豊かさにとても共感しました」

 と竹内さんは語る。例えばウィリアムズの家にはシャワーがない。友だちの家にビールを持って行き一緒に飲んで浴びて帰ったり、仕事場のものを利用する。裏庭に家を置かせてくれている、友人家族の子育てもウィリアムズはシェア。家という空間が外にも広がり、人との関係性もシェアし合うことで深まる。

「全てを家のなかで完結する必要はないのです」(竹内さん)


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