5大商社が上位を独占──。

 就活支援会社リーディングマークが運営する「レクミー」の「超上位校第一志望企業ランキング」で、そんな結果が出た。対象大学は東大や京大などの旧帝大と早稲田大学、慶應義塾大学、一橋大学、東京工業大学など。

 18年卒業のランキングは1位三菱商事、2位三井物産、3位伊藤忠商事、4位丸紅、5位住友商事と、実にトップ5を総合商社が占めている。17年卒と19年卒も、トップ5はいずれも総合商社だ。

 リーディングマークの社長、飯田悠司さんは、超上位校の総合商社人気の背景を次のように分析する。

「キャリアに対してアグレッシブな学生ほど、商社や外資を志望します。ただ、リスクに対しては考え方が分かれます。外資は人生をすり減らすイメージが強い。最近の学生のトレンドとして仕事に打ち込めば人生は幸せという考えではなく、プライベートも大事にしながら仕事も頑張るという認識で会社選びをする人が増えている。そうした中、コンサバ(保守的)な考えを持つ学生は、商社を志望する傾向にあります」

 さらに、総合商社は「守られた中でのチャレンジ感」があると指摘する。

「日本企業である総合商社は、仕事でミスしても基本的に解雇されることも給与が下がることもありません。一方で外資は、簡単に解雇され給与も下げられるリスクがあります。つまり、総合商社はチャレンジングであり、かつ守られてもいる。その点が今の学生にとって非常に具合がいいのだと思います」

(編集部・野村昌二)

AERA 2018年7月23日号より抜粋

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野村昌二

野村昌二

ニュース週刊誌『AERA』記者。格差、貧困、マイノリティの問題を中心に、ときどきサブカルなども書いています。著書に『ぼくたちクルド人』。大切にしたのは、人が幸せに生きる権利。

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