強豪ベルギーから2点を先制するなど、ロシアW杯でベスト8にあと一歩まで迫った日本代表。最終的には2-3と敗れたが、そのベルギー戦は歴史に残る名勝負だったとの声も多い。
【写真】本田圭佑に代わるアタッカーとして期待がかかるのはこの選手
西野朗監督は選手の特徴を生かし、就任から約2カ月でどん底だったチームを見事に立て直した。選手の奮闘も称賛されるべきだろう。しかし、ベスト16に進出したとはいえ、ロシアでの日本代表の躍進を手放しに大成功と言い切ってしまうことに違和感を覚えるのは筆者だけだろうか。
大会直前に左MFに抜擢され、チーム最多の2ゴールを挙げた乾貴士(30)は、ロシアW杯をこう振り返っている。
「世界でも戦えるところは示せたと思う。コロンビアは本当に強かったし、セネガルの身体能力もすごかったけど、ボールは持てた。これを4年間続けていれば、もしかしたらもっといいところに行けるかもしれない」
終わってみれば4試合を戦い、10人のコロンビアに勝っただけ。それでも、その戦いぶりは今後に希望が持てるものだった。ただ、乾はこうも続けている。
「(ベルギー戦で)2点を取った後は、詰めの甘さが浮き彫りになった。今回はぶっちゃけ、ぶっつけ本番みたいだったので……」
希望を抱いたと同時に、もう少し準備期間があれば、と後悔の念に駆られたのだろう。
W杯までの準備期間はすべてのチームに等しく4年が与えられている。だが、このチームはわずか2カ月の突貫工事で作られたのだ。なぜ、そんな状態を強いられたのか。代表チームの話題は早くも新監督、4年後の2022年カタールW杯へと切り替わっているが、まずはこの4年の総括をすることが進歩への第一歩ではないか。
新監督候補には、数人の外国人の名前が挙がっているが、ハリルホジッチ前監督がコミュニケーション不足を理由に解任された経緯もあってか日本人を推す声が多く、なかでも20年東京五輪代表監督の森保一氏が、A代表も兼任する案が有力だという。