子どもでも、いや、子どもだからこそ、小さな悩みをだれに相談していいかわからず、一人で抱え込んでしまうもの。そんなときはぜひ、聞かせてください。ズバッと解決してみせましょう。小中学生向けの月刊ニュースマガジン『ジュニアエラ』で連載中の「小さなことでも気軽に! こなやみ相談室」。今回は「おこづかい」についての相談。回答者はコラムニストの石原壮一郎さんです。

【Q】ボクのおこづかいは毎月500円です。1000円の友達もいるのに少ないと文句を言っても聞いてくれません。どうすれば上げてもらえますか?(なおとさん 愛知県/11歳)

■おこづかいは少なめのほうが多くの大切な経験ができる!?

 実はおこづかいが少なめなのは、むしろ幸せなことです。もし多かったとしても、「もっと欲しい」という無限の欲望に振り回されるだけだし、うらやましがる友達に対して、何かと気をつかわなければなりません。

 そして、我慢しつつ限られた額でやりくりするというのは、大半の大人が日々やっていること。世の中の不公平さも実感できるでしょう。おこづかいが多い友達はそういう大切な経験ができなくて、とても気の毒です。

 おっと、「どうすれば上げてもらえますか?」という相談に、まったく答えていませんね。それでもやっぱり多いほうがいいと思うなら、まずは「もっと上げてほしい」と要求することをやめましょう。

 その上で、両親に毎日「ぼくはおこづかいが少なくて、とても幸せだなあ」「子どものためを思って、少なめにしてくれて本当にありがとう」と伝え続けます。「ウチの子、大丈夫かな」と心配するか、成長したと感心するか、いずれにせよビックリして、気の迷いで「おこづかいを上げてみようか」と思ってくれる……かも。思ってくれなくても、自分を強引に納得させる効果はあります。

石原壮一郎さん
1963年、三重県松阪市生まれ。コラムニスト。『大人力検定』など、大人をテーマにした著書たくさん。最新刊は『大人の人間関係』。

※月刊ジュニアエラ 2018年7月号より

ジュニアエラ 2018年 07 月号 [雑誌]

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AERA編集部
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