クラブ活動からオリンピックまで、規模もレベルもさまざまな舞台で、多くの人を夢中にさせるスポーツ。話題になったニュースを子ども向けにやさしく解説してくれている、小中学生向けの月刊ニュースマガジン『ジュニアエラ』では、毎号、一つの競技を取り上げて、やっても見ても楽しくなるうんちく(深~い知識)を紹介するよ。今回は、W杯で盛り上がっているサッカーを取り上げるよ。

古代ギリシャの男性が円盤投げをする姿を表した大理石像(複製。大英博物館蔵)。真っ裸で競技していたことがわかる
古代ギリシャの男性が円盤投げをする姿を表した大理石像(複製。大英博物館蔵)。真っ裸で競技していたことがわかる
2004年のアテネ大会の砲丸投げは、古代五輪が行われたオリンピアの遺跡スタディオン(競技場)が会場となった
2004年のアテネ大会の砲丸投げは、古代五輪が行われたオリンピアの遺跡スタディオン(競技場)が会場となった

<競技の内容>
 11人ずつ二つのチームに分かれ、手以外の体の部分を使ってボールを運び、相手のゴールに入れて得点を競う競技。ゴールキーパーだけは、自分のチームのゴール近くの決められたエリアに限り、手を使ってボールが入るのを防げる。試合時間は前・後半45分ずつ。

<サッカーのうんちく6連発!>
(1)W杯決勝は10億人以上が視聴!

サッカーは世界で最も盛んなスポーツといわれ、競技者の数は2億7千万人。最高峰の大会であるW杯は、テレビ視聴数では五輪をしのぐ世界最大のスポーツイベントといわれ、2014年のW杯ブラジル大会決勝は、全世界で10億人以上が視聴した。

(2)イギリスでは「サッカー」といわない?

 近代スポーツとしてのサッカーは19世紀の初めにイギリスで生まれた。正式名称は「association football」という。その一部の「soc」に「cer」をつけ、「サッカー(soccer)」という呼び方が生まれた。しかし、現在では「サッカー」という国は少なく、イギリスをはじめ多くの国では「フットボール」という。

(3)白黒ボールはテレビ映りのため

 モノクロのテレビが普及し始めた1960年ごろ、ボールが1色だと見えにくいため、白黒に色分けされたボールが誕生した。五輪では68年、W杯は70年のいずれもメキシコ大会で初めて採用され、白黒のボールは「テルスター」(テレビのスター)といわれた。

(4)日本代表の象徴3本足のカラスとは?

 日本代表のユニホームには、3本足のカラスがボールを押さえている姿が描かれている。これは、中国の古典にある「三足烏」だ。昔から日本人は、カラスに特別な力があると考えており、「八咫烏」が神武天皇の軍隊を道案内したという神話もある。

(5)「ボイ!」と叫ぶのはなぜ?

 目の不自由な人のためのブラインドサッカーでは、ボールを持った相手に向かっていく選手は、「ボイ!」と叫ばなければいけない。選手同士が衝突してケガをすることを防ぐためで、叫ばないと「ノースピーク」という反則がとられる。「ボイ!」とはスペイン語で「行く」という意味だ。

(6)プレー中は静かに!

 目の不自由な人のためのブラインドサッカーでは、ゴールの裏にはアイマスクをつけていないガイド(コーラー)がいて、ゴールの位置や距離などの情報を選手に伝える。監督の声のほか、選手の「ボイ!」という声、ボールから出る音、足音や息遣いなどがとても大切だから、観客は、静かに見守るのがマナーだ。

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AERA編集部
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