きょうだいがいると、家の中はにぎやか。散らかっていたり、自分がとくに聞きたくない音楽が流れていたり、時にはちょっかいを出されることもあるでしょう。しかし、ひとりっ子はそういう相手がいません。空間も時間も自分の好きなように使えます。望みもかないやすい状況にあるため、根本的な肯定感と自信が、自然と内面に育てられるといいます。

 自信度の高いひとりっ子は、ここぞというところではまわりを気にせず、大胆に突き進む強さがあります。意外ですが、ここぞというときのひとりっ子は、すごいのです。ですから、ツボに入ったことを一点集中で深く掘り下げると、大きな力を発揮することも。ミュージシャンの坂本龍一さんや宇多田ヒカルさんなど、抜きんでた表現者やアーティストには、ひとりっこが多数見られます。脚本家、映画監督の三谷幸喜さんや作家の村上春樹さんもひとりっ子です。

 自分の「得意」をじっくり突き詰められる仕事は、ひとりっ子には狙い目。小説家や漫画家、音楽家などのほか、研究職や開発職なども向いています。

 ひとりっ子は、親との仲よし度もダントツ。きょうだいがいないぶん、親との関係はずっと密接。友達づきあいや進路はもちろん、服を選ぶといった日常のちょっとした場面でも、何かを選択するときはまず親の顔が自然によぎります。ひとりっ子にとって、親の影響はとりわけ大きいのです。

 それだけに、過干渉には要注意。手をかけすぎてしまうと、依存心が強くなってしまうのです。ひとりっ子は、自分を客観的、かつ冷静に見ることができるしっかり者なので大丈夫。マイペースを尊重して、好きなことをじっくり伸ばしてあげましょう。