富裕層向けの投資アドバイスを手掛ける財産ネットの藤本誠之企業調査部長は、こうした損失限定型ファンドに運用会社の「意図」が隠れている可能性を指摘する。

「ファンドが一定水準以下に値下がりしたら運用を打ち切る仕組みは、運用会社や証券会社のメリットにもなります。投信が値下がりすると『塩漬け』になりがちですが、値下がりした投信を何年も放置しておくよりも現金化して株式や違う投信に乗り換えてもらったほうが、証券会社や運用会社にとって都合がいいのです」

 証券会社や運用会社はあの手この手で個人マネーの取り込みを図ろうとするが、良さそうなマネー商品こそ金融機関の都合と顧客のデメリットが潜んでいないか、吟味が欠かせない。(経済ジャーナリスト・笹谷清太郎)

AERA 2018年7月9日号より抜粋