積み立て設定金額(AERA 2018年7月9日号より)
積み立て設定金額(AERA 2018年7月9日号より)
つみたてNISA残高ランキング【1】(AERA 2018年7月9日号より)
つみたてNISA残高ランキング【1】(AERA 2018年7月9日号より)
つみたてNISA残高ランキング【2】(AERA 2018年7月9日号より)
つみたてNISA残高ランキング【2】(AERA 2018年7月9日号より)

 気軽に非課税で投資が始められる、つみたてNISA。しかし金融庁が対象に定めた投資信託は148本(6月22日現在)もあり、初心者が投資先を決めるのは容易ではない。投資先を決めるうえでのポイントを、SBI証券・橋本隆吾投信・債券部長と投資信託評価会社モーニングスター代表の朝倉智也さんに聞いた。

【図】つみたてNISA残高ランキングはこちら

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 これから投資を始める人は、148本もある中でどういった投資信託を選ぶべきか。朝倉さんはこうアドバイスする。

「1本で済ませたいなら、国内外の株や債券に分散投資するバランスファンドでいいでしょう。あるいは新興国に重点的に投資したいなどといった考えがあれば、個別のインデックスファンドを組み合わせましょう。最初にコストをしっかり比較するのが重要です」

 すでに始めている人で、「投信選びに失敗したかも?」と感じている人はどうしたらいいだろうか。

「投資対象やその割合を変えたい場合は、新たに積み立てる分の変更はいつでも可能です。選んだ投信のコストが最安ではなかったという場合は、わずかな差なので気にせず続けていいでしょう。売却するともうその非課税枠は使えなくなるので、変更するのは新たに積み立てる分だけにとどめましょう」

 18年初めからの値動きをみると、新興国株はやや下落しているものの、日本と先進国株は堅調で、運用成績は若干のプラスで推移している人が多いと考えられる。ここで心配なのが、景気が後退して株価が下がったり、リーマン・ショックのような金融危機で大暴落したりしないかということだ。橋本さんはこうアドバイスする。

「つみたてNISAは最長20年続けられますが、20年間株や債券への投資を続けて報われないということは、少なくとも過去にはありません。相場の下落局面では運用成績もマイナスになるでしょうが、長期で続けることで回復時の利益が大きくなりますから、気にせず続けていくことが重要です」

 朝倉さんも、「下落局面は同じ金額でもたくさん投資できる絶好のチャンス」と話す。

「08年のリーマン・ショック直前に積み立てを始めたケースでも、13年頃には利益を出せています。マイナスになる時期も必ず来るでしょうが、そんな時に口座を頻繁にチェックしていると売りたくなったり、投資をやめたくなったりするもの。良い時も悪い時も、忘れているぐらいのほうがうまくいきます」

 上がり続ける相場はないが、下がり続ける相場もない。20年間続けると決めたら初志貫徹し、どんな局面でも淡々と続けるのが重要だ。(ライター・森田悦子)

AERA 2018年7月9日号より抜粋