余談ですが、コンペになると「病気したらどうするんですか?」と必ず言われるんです。「風邪ひいたことない」と言い切りますが、実際は熱が40度あっても働くし、最近、風邪で声をからした時も「会議でつぶしました」で乗り切りました(笑)。「何かあったら訴訟を起こす」と契約書に書かれたこともあります。

A:あとは単価の上げ方も試行錯誤ですね。いきなり倍に上げるのは難しくても、稼働時間が半分になる契約にすることで、時間単価を上げる、っていうやり方はありますよね。そういう意味では、一番働いていた時はマックス「週に8.5日稼働」ってことがありました。1日が8時間稼働と考えて組み合わせれば、フリーランスってそれができちゃう。

 一生続くのはしんどいですけれど、半年だけとか期限を決めたら全然できる。そうすると自分の能力も上がるので、次の契約更新では単価が上がったりする。

B:自分の売り込み方も重要ですよね。クライアントに「信じる理由」をあげて、時給がいくらの人なのかを分からせてあげる。例えば「過去にこの企業でこの報酬でやっていました」と言うと、よくわからないフリーランスでも納得してもらえる。ただ、それだけ言うと嫌みなので、あとは交渉次第ですが。

D:あとは、値切ってくるお客さんは絶対に後で金額以上のことを言ってくる。私は絶対契約しないようにしていますね。

(編集部・市岡ひかり

AERA 2018年7月2日号