「チャットモンチーは完結するんだけど、このCDは誕生して、これからも音楽はあり続ける。チャットモンチーではこれからは歌えない未来のことを、ここで歌えたのかなという感じがあります」(橋本)

 取材中、福岡が笑いながらこんなことを言った。

「“元チャットモンチー”って肩書がしっくりこないよねって(橋本と)話してたんですよ(笑)。“元”じゃなくて、“チャットモンチー済”にしようかなって」

「“解散”も、“元”もいやだったから(笑)」(橋本)

「“元”って言われたら、あの頃にいきなり帰らなきゃいけない感じがしますよね。“済”だったら、そのままを経験値として次の自分に残してくれる気がしてるんです。履歴書にも書ける、みたいな(笑)」(福岡)

 本当の完結ライブは地元徳島で、2年前にも開催された彼女たち主催のフェス「チャットモンチーの徳島こなそんそんフェス2018 ~みな、おいでなしてよ!~」(7月21、22日、アスティとくしま)だ。フェスの最後は、彼女たちも阿波おどりで客席を練り歩くのだという。

「最後はこれって2人で決めました」(福岡)

「お祭りの一部になってみんなでわいわいできたら最高やな、と思います」(橋本)

 らしさ全開の完結まで、もう少しだけ彼女たちは駆け続ける。(ライター・松永良平)

AERA 7月2日号