名古屋城だけじゃない!(AERA 2018年6月25日号より)
名古屋城だけじゃない!(AERA 2018年6月25日号より)
ジブリパークはこんな感じ(愛知県提供)
ジブリパークはこんな感じ(愛知県提供)
ジブリの大倉庫エリアのイメージ図。世界中で人気のあるスタジオジブリの世界観が再現されるだけに、外国人観光客の増加も見込まれる(図:愛知県提供、(c)Studio Ghibli)
ジブリの大倉庫エリアのイメージ図。世界中で人気のあるスタジオジブリの世界観が再現されるだけに、外国人観光客の増加も見込まれる(図:愛知県提供、(c)Studio Ghibli)

 実は観光資源が豊富な中京圏。知らないと損する穴場ばかりだ。2022年度にオープン予定のジブリパークには、世界のジブリファンの注目が集まっている。

【ジブリパークの基本デザイン図はこちら】

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 アニメ映画「風の谷のナウシカ」(1984年)や「天空の城ラピュタ」(86年)、「火垂るの墓」(88年)や「おもひでぽろぽろ」(91年)、「平成狸合戦ぽんぽこ」(94年)、「千と千尋の神隠し」(2001年)──。故・高畑勲監督、宮崎駿監督の両巨匠と、名古屋市出身の鈴木敏夫プロデューサーがタッグを組み、数々の名作を制作してきたスタジオジブリの世界観が、愛知県で体現される。世界中のジブリファンが喜ぶ夢のような構想が今、同県長久手市の県営「愛・地球博記念公園」を舞台に進められている。

「ジブリパーク」。同社が愛知県とともに2022年度の開業を目指すスタジオジブリに特化したテーマパークだ。

 緑豊かな約200ヘクタールの敷地内に、映画「ハウルの動く城」や「耳をすませば」の世界観を再現する「青春の丘エリア」や、「もののけ姫」にちなんだ「もののけの里エリア」、「魔女の宅急便」など魔法を題材とした「魔女の谷エリア」、「となりのトトロ」の「どんどこ森エリア」などをつくる。「ジブリの大倉庫エリア」には、映像展示室や子どもの遊び場などを整備するという。

 米経済誌フォーブスや英BBC放送など海外のメディアでも報じられ、すでに世界規模のニュースとなっている。01年の開業以来、入館チケットの完売状態が続き、昨年には通算の来場者数が1千万人を超えた「三鷹の森ジブリ美術館」(東京都)と同じように、大勢の外国人観光客も足を運ぶ一大人気スポットとなりそうだ。

 16年に名古屋市が実施した調査によって、国内主要8都市で最も魅力に欠けることが判明した同市。自らが「魅力の低さ」を内外に強調してしまう皮肉な結果となったが、実情はそう悲観したものでもない。今年1月末に名古屋市が発表した16年度の観光入り込み客実人数(推計)は、前年度比396万人増の4727万人となり、過去最多を記録した。

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