ミッツ:「新宿シャンソン」のPVに蒼井優さんと白石和彌監督を起用したのはリリーさんですよね。すごく素敵でした。

リリー:そう。いつもなら俺が手がけるんだけど、「新宿シャンソン」は、人の手に渡ってどんどん変わっていくのがいいなと思って。

 俺がイメージしたものを卵を割るみたいに星屑の3人が割って、そこで固まりそうなイメージをまた誰かが割っていく、みたいに。そうすることでもっと風通しがよくなる。まさかあの大物2人が受けてくれると思わなかったけど。

ミッツ:大物歌手の皆さんに「ヒット曲への思い入れはありますか?」と聞くと、「ない」っておっしゃるんです。求められているから歌っているんですね。私たちにも、そう思える曲ができたことは、すごく幸せだと思っています。

「新宿シャンソン」を入り口にしてライブに来てくださったり、CDを聞いてくださる方が増えているし、もっと増えるだろうということが、一番、うれしいですね。

(ライター・角田奈穂子)

AERA 6月18日号より抜粋