「若干短めにして軽快に見せるか、逆に長めにしてエレガントな雰囲気にする。そうすると、スタイルが美しく見える」

 今回のモデル撮影の洋服コーディネートを手がけたスタイリストの川田真梨子さんは、女性がジャケットの着丈を見極めるポイントをこう語る。クールビズの季節であれば、長めよりも、手のひらで握れない程度のやや短めが、軽快で「足長効果」も期待できておすすめだ。

 ビジネスパーソンにとって大切なのは中身。つまり、仕事ができることだ。これは、間違いない。ただ、ビジネスの相手は、あなたが仕事のできる人か否かを、まず外見で判断している。

 無造作感を狙ったヘアスタイルが、無造作になりすぎていないか。かわいいと思って、色糸で留めたボタンのシャツを着ていないか。シャベルのようにとがったつま先の靴を履いていないか。

 こういった「無造作」とか「かわいい」という自分勝手な思い込みには、「知ったことか!」とツッコミを入れたくなる。ビジネスウェアで考えるべきは、相手からどう思われるかである。

 クライアントが望んでいるであろうことを想像する。一緒に働く仲間を思いやる。仕事そのもので大切なのは何かを考えれば、おのずとビジネスウェアを考えるときの姿勢は決まる。

 クールビズに加えて、今年はスニーカー通勤を推奨する「ファン+ウォーク」の取り組みが、スポーツ庁のかけ声でスタート。

 さて、どれくらい定着していくのか。新しい着こなしルールは生まれるのか。今年の夏は、分岐点となりそうだ。(アエラスタイルマガジン編集長・山本晃弘)

AERA 6月11日号より抜粋