瑛太:いや~俺だったら予定を断ってでも斗真と会うけどね。

生田:じゃあこの場を借りて謝っておきます。予定を飛ばすべきでした……(笑)。

──劇中、二人で楽しそうにカラオケをしていました。同世代で感じることも多いのでは?

生田:僕らの世代って、あの神戸の事件の“当事者”なんですよね。ニュースを見ていても、恐怖や怒り、悲しみ、すごくいろんな感情になったことを覚えています。だからこそ、この作品を同世代の僕らが演じて残すことに意味があると思う。肯定か否定かみたいな二元論じゃなくて、事件の背景には表に出ることのないいろんな人の思いがあるんだということを、作品を通じて世の中に伝えていくことが、役者としての僕らの役割なんじゃないかなと思っています。

瑛太:今までこの作品を見た方は、全員感想を言葉にしてくださらないんですよね。多分、僕が見ても、うまく言葉にできないと思う。でも、それでいいというか、そこにこの映画の芸術としての自由さがある気がします。わかりやすくないものを、そのままエンターテインメントとして受け止めて、楽しんでもらえたらうれしいですね。

(構成/ライター・澤田憲)

AERA 2018年6月4日号