マキタスポーツ「“可愛い”娘が芸能人になりたいかも問題を考える」 (2/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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マキタスポーツ「“可愛い”娘が芸能人になりたいかも問題を考える」

連載「おぢ産おぢ消」

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マキタスポーツ/1970年、山梨県生まれ。俳優、著述家、ミュージシャンなど多彩な顔を持つ。スポーツ用品店だった実家の屋号を芸名に。著書に『すべてのJ-POPはパクリである』『一億総ツッコミ時代』ほか。映画「苦役列車」でブルーリボン賞新人賞受賞

マキタスポーツ/1970年、山梨県生まれ。俳優、著述家、ミュージシャンなど多彩な顔を持つ。スポーツ用品店だった実家の屋号を芸名に。著書に『すべてのJ-POPはパクリである』『一億総ツッコミ時代』ほか。映画「苦役列車」でブルーリボン賞新人賞受賞

マキタスポーツの“可愛い”娘が芸能人に!?(※写真はイメージ)

マキタスポーツの“可愛い”娘が芸能人に!?(※写真はイメージ)

 そんな長女がどうも最近「芸能人になりたい」と思っている風なのだ。自分に「2世タレントの親」としての通過儀礼がやってくるなんて想像もしていなかった。

 問題は、実際に「芸能人になりたい」と言われた時のこと。断れる気がしない。だってそうだろう、彼女は「私の子供」という永久条約を手にしている。この言わば、“わがままのタコ殴り権”が、後々のモンスターを生むことだって分かっている。でも、可愛いのだ。それが問題なのである。

 彼女が生まれたばかりの頃私には仕事がなかった。学校へ行くようになって、周りから「お前の父ちゃんテレビ出てないじゃん!」とか言われたことだってあったはず。でも彼女の口からはそんな愚痴を聞いたこともない。やがて、仕事に恵まれ出し、入院部屋や家のグレード、私立校受験、車、旅行などなど生活は激変。彼女なりに実感したはずである。彼女には、次女が平気で高いものを「買って!」とか言うような無邪気さがない。私が招いた貧しさが無邪気さを奪い、彼女を遠慮深くさせた。しかし、無の状態から「マキタスポーツの娘さん?」と言われる機会を得た経験は、次女以下、他の子供たちにはないことなのである。彼女は前人未到の「マキタスポーツの娘」なのだ。

 過日、思い切って訊いてみた。

「将来、何になりたいのか」

「……まだ考えていない」

「もう16歳なんだし、そろそろ将来のことを考えていた方がいい」

「安心して欲しい……芸能人にはならない」

 絶対嘘なのである。絶対、芸能人になりたいはずなのだ。

AERA 2018年5月28日号


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マキタスポーツ

マキタスポーツ/1970年、山梨県生まれ。俳優、著述家、ミュージシャンなど多彩な顔を持つ。子供4人。スポーツ用品店だった実家の屋号を芸名に。著書に『すべてのJ-POPはパクリである。』ほか。映画「苦役列車」でブルーリボン賞新人賞受賞。近刊に『越境芸人』(東京ニュース通信社)。『決定版 一億総ツッコミ時代』(講談社文庫)発売中。

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