注目を浴びる分、党内外からの批判とも無縁ではない。森友問題をめぐる党大会での発言には、安倍首相を支持する層から「後ろから鉄砲を撃つな」と批判のツイートが相次いだ。

 ある閣僚経験者の評価は「まだまだ経験不足だ。本格論戦になればすぐにぼろが出る」と手厳しい。

 2012年の総裁選では、選挙終了後に石破茂に投票したことを明かした。今回、その石破は「常に真剣勝負の思いは進次郎さんと仕事をして共有している」とテレビでラブコールを送るが、小泉は今のところどの候補を支持するか明言を避ける。

 政界のスターとして注目を浴び続け、その強烈な「個」が注目されてきた小泉だが、最近繰り返し口にするのが「チーム」という言葉だ。

 3月には自民党の若手議員ら30人で有志の勉強会「2020年以降の経済社会構想会議」を立ち上げた。4月25日の勉強会後、小泉は語った。

「『ポスト平成』の政治は、チームの時代だ」

 勉強会では自身は会長代行に就任。当選同期の橘慶一郎衆院議員を会長に据えた。会合後のブリーフでは毎回違う議員を同席させる。チームの結束を重視し、自身の突出を避けようとする意図が透ける。

 自民党にあってリーダーを首相に担ぎ、支える「チーム」が派閥だったが、小泉は派閥に属していない。しかしこの勉強会を含め、こども保険や農政改革などの政策を議論してきた「チーム」は、小泉が力を蓄え、総裁選に打って出るための足場となる可能性がある。

「小泉さんが総裁選に出るなら僕らは皆派閥を抜ける」

 小泉に近い当選3回の自民党衆院議員はそう打ち明ける。

 それでは、その時とはいつなのか。勉強会の名前のように「20 年以降」となるのか、思いのほか早くやってくるのか。小泉をよく知る自民党ベテランはこう予言した。

「自民党の支持率が急落した時こそ進次郎が総理になる時だ。自民は2回野党を経験した。必ず危機はやってくる」

(朝日新聞政治部・又吉俊充)

AERA 2018年5月21日号より抜粋