柳瀬氏、そして藤原氏には共通点がある。両者ともに経産省からの出向者だったことだ。

 元文科官僚で京都造形芸術大学教授の寺脇研氏は約30年前、通商産業省と共管の法案を作成したときのことを思い出したという。経産省は2001年の中央省庁再編まで通産省だった。

「関係各省庁と徹底的に議論する必要があったが、通産省の担当者は『総理の意向で進めている法案なんだと言えば相手は黙りますよ』と。当時は文部大臣経験者で自民党文教族の海部俊樹首相だったから、それで通ると思ったのだろう。これが通産省のやり方かと驚いた」

 こうして仕事を進める様は、経産省のお家芸だという。

(編集部・澤田晃宏)

AERA 2018年5月21日号より抜粋