性に興味はある。でも、積極的に話すのも抵抗がある。女性用のセルフプレジャーグッズ「iroha」の開発を担当する「TENGA」の渡辺裕子さんも、女性のそんな傾向を感じた一人だ。

 irohaでは、ごつごつして無粋な音がして、男性が女性に使う印象の強かった従来のアダルトグッズのイメージを一新。13年から柔らかく、おしゃれで使いやすいローターなどの商品を展開している。

 しかし、すぐ女性が手にとってくれたわけではない。発売当初はサーバーがダウンするほど反響を呼び、モニター応募も多いのに、SNSのキャンペーンはシェアが広がらず。購入者も男性に偏っていたという。そこで取った作戦が、「エロと文化」を絡めること。例えば、「春画展」とコラボしたトークイベントや、日活ロマンポルノを文化として振り返るイベントなどを開催。春画のイベントはチケットが即日完売する盛況ぶりだった。

「女性は、直接的だと、まだ引いてしまう。アートや文化のワンクッションがあると手を出しやすいようです」(渡辺さん)

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