4月22日に仙台で行われた大規模な凱旋パレードで、満面の笑みを見せる羽生結弦。故郷での大声援が、羽生を素顔にさせた(撮影/写真部・東川哲也)
4月22日に仙台で行われた大規模な凱旋パレードで、満面の笑みを見せる羽生結弦。故郷での大声援が、羽生を素顔にさせた(撮影/写真部・東川哲也)

 平昌五輪で2連覇を果たした羽生結弦が地元凱旋パレードを行った。多くのファンが熱狂したパレードの様子を報告する。

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 気温29度。前日に続き夏日となった晴天の仙台。その暑さを上回る熱気を見せたのが、地元出身のフィギュアスケーター羽生結弦の熱狂的なファンたちだ。

 4月22日、五輪2連覇を果たした羽生の凱旋パレードが盛大に行われた。仙台駅近くから仙台市役所までの約1.1キロをパレード。沿道は10万8千人(市発表)で人の海となった。

 販売された応援グッズの2色ラバーバンド1万セットは前日の発売直後に即完売。8万枚用意された応援Tシャツも約7万枚が売れ、ホテルや新幹線なども満室、満席状態に。果てしなく広がりを見せる羽生人気を象徴するパレードになった。

 午後1時15分、首から金メダルをかけた羽生が、パレードの出発式に姿を見せた。熱狂的なファンを前に羽生が発した最初の言葉は、地元への感謝だ。

「ありがとうと言える場をつくっていただき、本当にありがとうございます」

 見渡す限りの人、人、人。老若男女が思い思いの声援を送った。「2連覇おめでとう」「3連覇もできる」「仙台の誇り」「結婚して」「大好き~」──。

 夫婦そろってファンで、当日早朝の新幹線で千葉県から来た澤田充さん(57)は、

「同じ日本人として誇らしく思える好青年だ」

 妻の有未子さん(51)も、

「世代や性別に関係なくファンにしてしまう魅力が羽生さんにはある。生で見られて、もう死んでもいい」

 道路の両側を埋め尽くしたファンのために、右に左にと忙しく立ち位置を変えながら、笑顔で手を振り続けた羽生は、「ありがとう、ありがとう」を繰り返すが、大歓声の中では聞こえない。すると突然、平昌五輪でのフリープログラム「SEIMEI」で見せた決めポーズを披露した。その理由が、ファン思いの羽生らしかった。

「近くの方には、ありがとうという自分の声や目線は届くと思ったのですけど、遠くで見ている方にも届けばいいなという思いで、(ポーズを)やらせていただきました」(羽生の記者会見から)

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