Diane Kruger/1976年生まれ。おもな出演作に「トロイ」「イングロリアス・バスターズ」など。「女は二度決断する」で昨年のカンヌ国際映画祭主演女優賞を獲得(関口達朗)
Diane Kruger/1976年生まれ。おもな出演作に「トロイ」「イングロリアス・バスターズ」など。「女は二度決断する」で昨年のカンヌ国際映画祭主演女優賞を獲得(関口達朗)
「女は二度決断する」/監督:ファティ・アキン。クルーガー自ら出演を熱望した。ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開中 (c)2017 bombero international GmbH & Co. KG, Macassar Productions, Pathe´ Production,corazo´n international GmbH & Co. KG,Warner Bros. Entertainment GmbH
「女は二度決断する」/監督:ファティ・アキン。クルーガー自ら出演を熱望した。ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開中 (c)2017 bombero international GmbH & Co. KG, Macassar Productions, Pathe´ Production,corazo´n international GmbH & Co. KG,Warner Bros. Entertainment GmbH

「女は二度決断する」は、女優ダイアン・クルーガーの主演最新作だ。テロをテーマにした同作を撮影するにあたり、クルーガーが取り組んだこととは。

【写真】「女は二度決断する」の1シーンはこちら

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 クエンティン・タランティーノ監督作などに出演していたことから、ダイアン・クルーガー(41)には“ハリウッド女優”というイメージが付きまとう。だが、じつはドイツ生まれ。15歳で祖国を離れ、フランスで暮らした後、現在は米国を拠点に活動する。

 そんな彼女は主演最新作「女は二度決断する」で、初めてドイツ映画に出演した。クルーガー演じるカティヤは、ある日突然、トルコ移民である夫と6歳の息子を爆弾テロに巻き込まれ失う。やり場のない怒り、悲しみ、後悔。

 カティヤという役を生き抜くにあたり、クルーガーは半年かけてテロや殺人事件の被害者家族に会うことから始めた。その数は30家族にも上る。

 なかには、父親の迎えが遅れたばかりに子どもが殺され、罪悪感から父親が命を絶ち、一人取り残された母親もいた。

「テロや殺人というものは、行為そのものが残忍なものですが、周りの人々に影響を与え、悲劇が広がっていく。私自身、話を聞いて初めて意識するようになったことです」

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