「女は二度決断する」は、女優ダイアン・クルーガーの主演最新作だ。テロをテーマにした同作を撮影するにあたり、クルーガーが取り組んだこととは。
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クエンティン・タランティーノ監督作などに出演していたことから、ダイアン・クルーガー(41)には“ハリウッド女優”というイメージが付きまとう。だが、じつはドイツ生まれ。15歳で祖国を離れ、フランスで暮らした後、現在は米国を拠点に活動する。
そんな彼女は主演最新作「女は二度決断する」で、初めてドイツ映画に出演した。クルーガー演じるカティヤは、ある日突然、トルコ移民である夫と6歳の息子を爆弾テロに巻き込まれ失う。やり場のない怒り、悲しみ、後悔。
カティヤという役を生き抜くにあたり、クルーガーは半年かけてテロや殺人事件の被害者家族に会うことから始めた。その数は30家族にも上る。
なかには、父親の迎えが遅れたばかりに子どもが殺され、罪悪感から父親が命を絶ち、一人取り残された母親もいた。
「テロや殺人というものは、行為そのものが残忍なものですが、周りの人々に影響を与え、悲劇が広がっていく。私自身、話を聞いて初めて意識するようになったことです」