様々な道徳の問いを考える「問いかけ」の本(※写真はイメージ)
様々な道徳の問いを考える「問いかけ」の本(※写真はイメージ)

『答えのない道徳の問題 どう解く?』は、山崎博司さん、木村洋さん、二澤平治仁さんによる、様々な道徳の問いを考える「問いかけ」の本だ。オリオン書房ルミネ立川店の田邊水玲さん、同著の魅力を次のように寄せる。

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 子どもから無邪気に投げかけられるたくさんの疑問。彼らなりに思うところがあるならば、一緒に考え導いてあげたいと思うのが親心だが、一筋縄ではいかない事柄も案外多いもの。

 本書では、よく耳にするけれど少し難しい問題の数々を、簡単なキーワードとイラストに置き換えて問いかける。読み手は、まずここで自らの考えを巡らせる。余白がたっぷり取られたデザインなので、思いついたことも書き出せる。何より、掲載されたこれらの問いに対する小学生たちのさまざまな意見と、池上彰さん、羽生善治さん、谷川俊太郎さんなど各界の著名人からのコメントがルビ付きで巻末に紹介されていて、改めて気づかされることも多かった。

 この春、小学校で教科としての道徳が始まるタイミングでの刊行。作り手の強い思いが伝わるようだった。

AERA 2018年4月30日-5月7日合併号