西野新体制で招集されるか注目が集まる中村憲剛 (c)朝日新聞社
西野新体制で招集されるか注目が集まる中村憲剛 (c)朝日新聞社

 ヴァイッド・ハリルホジッチ(65)から西野朗(63)に指揮官が代わったことで、 少なからず戦い方に変化が出る。いちばんの焦点はやはりメンバー選考だ。

*  *  *

 現状では5月14日に予備登録メンバー35人のリストをFIFA(国際サッカー連盟)に提出。その後、メンバーを絞り国内合宿に臨み、西野監督にとってはロシアワールドカップ(W杯)最終メンバー選考前唯一となる同30日のガーナ戦(横浜)を経て、その翌日にも本大会に臨む23人が発表されるという。

 西野監督は、開幕まで時間がない中で前体制でのメンバーが「ベースになる」とする。しかし、就任会見では「やはり技術力を最大限に生かしたい。組織的なところで結束して戦う」と、デュエル(1対1の個の勝負)や縦に速い攻撃を強調した前監督のスタイルから日本らしい組織力を生かしたスタイルへの回帰を示唆。また、「過去の経験や実績」も大事としており、ハリルホジッチ体制ではチャンスの少なかったFW本田圭佑(31、パチューカ)、FW岡崎慎司(32、レスター)、MF香川真司(29、ドルトムント)らのメンバー入りも予想される。

 気になるのは、彼らのほかにも主将の長谷部誠(34、フランクフルト)や長友佑都(31、ガラタサライ)、吉田麻也(29、サウサンプトン)といった選手は引き続き選出が濃厚で、主力がほぼ前回大会と変わらない状況もあり得ること。もっといえば、名前を挙げた選手は全員2011年アジアカップ優勝時から変わらないわけである。

「チームは生き物」とはよく言ったもの。どんなにいい選手が集まろうとも長い年月とともにマンネリ化し、停滞感を生んでしまうものだ。だからこそ、西野監督がどんなメンバーを招集するかは非常に興味深い。

 くしくも前監督の解任の引き金となった3月の欧州遠征でも、最もチームに勢いを与えていたのは新戦力として招集された今季ポルトガルリーグで9ゴールと好調の中島翔哉(23、ポルティモネンセ)だった。

次のページ