竹増貞信(たけます・さだのぶ)/1969年、大阪府生まれ。大阪大学経済学部卒業後、三菱商事に入社。2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長
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竹増貞信(たけます・さだのぶ)/1969年、大阪府生まれ。大阪大学経済学部卒業後、三菱商事に入社。2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長
レジ待ちなし 店内どこでも決済(※写真はイメージ)
レジ待ちなし 店内どこでも決済(※写真はイメージ)

「コンビニ百里の道をゆく」は、47歳のローソン社長、竹増貞信さんの連載です。経営者のあり方やコンビニの今後について模索する日々をつづります。

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 4月23日から、東京都内3店舗(晴海トリトンスクエア店、大井店、ゲートシティ大崎店)で、レジに並ばなくても決済ができる「ローソンスマホペイ」の実証実験をスタートさせました。事前に公式アプリをダウンロードしておけば、商品バーコードをスマホのカメラで読み取るだけで、店内のどこでも決済ができるシステムです。支払いは登録済みのクレジットカードなどから引き落とされ、アプリには購買履歴も残るので、家計管理にも便利です。

 ローソン東京本社がある「ゲートシティ大崎店」では、不具合の検証を目的に社員による実験をひと足早く実施しました。私も利用していたのですが、これは本当に便利です! 忙しい朝や短い昼休みの時間帯は、レジが長蛇の列になりやすい。並ぶお客さまにとってもストレスですし、コーヒー1杯だけ買いたい方が、レジの列を見て「じゃあ他で買おう」となれば、お店にとっても機会損失です。スマホペイなら、商品のバーコードをピッと読み取るだけなので、欲しいものを欲しいタイミングでスピーディーに買える。特に、私のようなせっかちな人にはぴったりで、一度体験していただければ、圧倒的な利便性を実感してもらえるはずです。

 対象のうち2店舗では深夜の1時から4時に限り、スマホペイを使ったレジ無人化の実証実験も行います。その間、従業員は品出しなどバックヤードの作業に集中。深夜の仕事の生産性が向上し、朝のピークに向けてしっかりと商売ができる態勢が整います。店の従業員の負担軽減と、お客さまのストレス緩和の両方が実現できるサービスだと、自信を持っています。

 からあげクンや肉まんといった温かい商品への対応や、Pontaカードのポイント支払いもできるよう改善するつもりです。

 2018年はローソンにとって「デジタル元年」。実証実験の結果を生かし、年内には全国への拡大を目指しています。どうぞご期待ください。

AERA 2018年4月30日-5月7日合併号

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竹増貞信

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竹増貞信(たけます・さだのぶ)/1969年、大阪府生まれ。大阪大学経済学部卒業後、三菱商事に入社。2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長

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