日比谷高校を卒業した鎌田優樹さん(3年)は国立大学志望だったが、PDPを知って武蔵大学に進学した。普段は1日5時間、試験前になると食事と入浴以外は勉強している。

「予習が必須で、授業では教授や学生とディスカッションします。海外の大学院を目指していますが、奨学金が必要なので、良い成績をとっておきたい」

 毎年5月に、実力を問われる記述式の試験を1科目3時間、合計4科目受ける。合格しないと学位取得はおろか、進級すらできない。

「授業に遅れないよう、かなりの勉強が必要です」(東郷教授)

 有名大学を蹴って武蔵大学を選ぶ学生たちの意図は、世界で一生通用する実力を身につけるという一点に集約されている。

 大学とは思えないほどスタイリッシュ。設備もホテル並みに豪華。14の学部を擁する総合大学ながら、一つ一つの学部が尖っており、関西で何かと話題に上るのが近畿大学だ。

 最近のニュースは、去年4月、東大阪キャンパスに完成した「アカデミックシアター」。床面積2万8千平方メートル超の学術拠点である。中核は7万冊を収めた図書館だが、そのうち2万2千冊がマンガ。といっても休憩用ではない。たとえば政治や戦争史の書物の近くに『ゴルゴ13』を置くなど、学生が新たな学問に気軽に入っていけるような仕掛けがなされているのだ。

 そして、教育関係者の間で評判が高いのが、国際学部である。

「グローバル専攻の場合、1年の後期から、全員必須でアメリカに留学させます。入学して5カ月後には海外に飛ぶことが確定しているので、入学早々、英語をマスターせざるをえません」(国際学部学部長代理の藤田直也さん)

 留学に向け、ELS(50年以上の歴史を持つ語学教育機関)による週13時間30分の個別指導を行い、会話力を叩き込む。帰国後はTOEIC集中講義を行い、就職で圧倒的に有利な900点台を取らせる。2年生の後半からは、英会話学校で有名なベルリッツのビジネス英語プログラムを全員に受講させる。

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