東山:俳優には人間力が必要です。マルの関ジャニ∞での立ち位置やバラエティーなどを見ていると、裏側にある思いや努力の成果を感じる。舞台向きだよね。マルはそうして信頼を勝ち取ってきた人なのかなという気がするね。

丸山:うれしいですね。まさか、大大大先輩の東山さんと共演させてもらえるなんて。そもそも、東山さんの意識の中に僕がはっきりくっきり映るということ自体、僕が事務所に入った当初は想像もしていなかった。自分の人生としては、とんでもないことが起こっているなと自覚しています。

東山:そうなの?(笑)

丸山:稽古場では役として向き合うのが自然なことなので、そこのギャップをまだ受け止めきれていないんです。不思議な感じです。一緒にお芝居していると、僕は2通りで楽しめるんですよ。事務所の大先輩の東山さんがこんなことしてはるわ、というミーハー的な楽しみと、こんな間近でお芝居を見られるのは貴重な機会だからつぶさに観察しよう、お芝居やっててよかった、と実感できる楽しみと。

東山:僕は後輩に背中を見せようなんて思ってません。後輩も一人の表現者だと思っています。舞台上できちんと勝負したほうが、お互い気持ちいいんじゃないかな。

丸山:あ、僕は東山さんの裸の背中は何回か見ましたよ。ふと見たら着替えていらして。筋肉のバランスがめっちゃきれいなんです! 人って大体ズレがあるのに、それがない!

東山:踊り手でもあるので、訓練はキチッとやらないとね。

丸山:無駄がないですよね。東山さんの筋肉ってウェートトレーニングではなく日常的に動かしている実用的な筋肉だから、スポーツ選手に近いんだと勝手に分析しています(笑)。

東山:そのためには訓練は続けなくちゃダメなんだよ。そうだ、演出の西田さんに言おうかな。マルが困ったら踊るって(笑)。(構成/フリーランス記者・坂口さゆり)

AERA 2018年4月9日号