北朝鮮との対話の道を探ってきたティラーソン国務長官を「政策の違い」で解任しておいて、自身はあっさりと米朝首脳会談に応じる。同時に北朝鮮に厳しい立場のボルトン元国連大使を国家安全保障補佐官に登用するなど、メッセージや軸足が定まらない。米朝首脳会談をドタキャンしても不思議ではなく、逆に「史上初」「歴史的」という「評価」だけで、外交リスクも考えずに会うこともありえる。常識で予測できない大統領なのだ。

 その不透明さが世界に伝わり、逆に北朝鮮を中国に急接近させる中朝首脳会談の開催といった様々な化学反応が起きていく。

 トランプ氏の「解任リスト」にはまだ名前が残っていると言われ、ケリー首席補佐官やセッションズ司法長官らが次の解任候補とうわさされている。国内外に混乱と不透明さを広げる「トランプ人事」は、今後も続いていく。(編集部・山本大輔)

AERA 2018年4月9日号より抜粋