トランプ大統領は、どう考えているのだろうか。それが3月6日の記者会見で垣間見えた。「周辺の人たちを次々と代えているが、セッションズ氏の解任はあるか」と聞かれたトランプ大統領は、「そのことは話さない」とした上で、こう応じた。

「ホワイトハウスで働きたいと思っている人は多い。誰もが私の選択肢だ」

 確かに、ホワイトハウスで職を得ることは、あらゆる分野の専門家にとって最高の名誉であり、憧れでもある。ただし、トランプ政権下では変化が起きているとテンパス氏は見ている。

「スタッフの出入りが多いほど混乱は大きくなり、不透明感も高まる。残された政権スタッフにとって、大統領の政策を進めることが、ますます困難になる。高い離職率に加え、ロシア疑惑の捜査も影響し、ホワイトハウスは以前と比べ、魅力的な職場ではなくなっている」

 高い離職率の背景には、意にそぐわない人を辞めさせるトランプ大統領の方針と同時に、この政権下では働きたくないとして自主的に辞める人の増加もある。その結果、人材が不足し、新たに採用しても実務が伴わずにまた離職するという悪循環に陥っていることが深刻なのだ。

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