ビール各社は、さまざまな技術を追求し、開発してきている。しかし酒税法の定義によって、せっかくの技術を温存せざるをえないことも多かった。それを開花させるチャンスでもある。

 日本のビールの定義が変わったこの春、大手各社は新たな商品を相次いで投入してくる。それも定義変更を前向きにとらえた印象的な商品ばかりだ。ただ各社とも爆発的な売れ行きが一気に訪れるとは予想していない。13年連続で消費低迷を続けるビール類のトレンドを転換するきっかけになるのか。それは、新しいビールの楽しみを消費者が見つけられるかどうかにかかっている。(文中敬称略)

(ジャーナリスト・前屋毅)

AERA AERA 2018年4月9日号より抜粋