「やられてもやられても立ち上がる姿に勇気をもらいました」

 一念発起して、500万円借金してリングを購入。リングを持って障がい者施設を回った。かつては入場料売り上げの半分を小山市社会福祉協議会の基金に寄付し、借金は自分の給料から返済した。

「全日本プロレスが小山に興行に来た時、地元の人にプロレスをやるんです、と言ったところ、『イーグルプロレス?』と言われたそうです。地元に根付けたと思いました」

 地元に戻って生業を持ちながら自前のプロレスを始めたレスラーがいた。町にプロレスが来る。あの特別な高揚感を覚えている世代がいた。ユーチューブで過去の名試合を観ていた若者もいた。そんな人たちがいま、地元にプロレスがある喜びをわかちあっている。(編集部・小柳暁子)

AERA 2018年3月26日号より抜粋