タレントでエッセイストの小島慶子さんが「AERA」で連載する「幸複のススメ!」をお届けします。多くの原稿を抱え、夫と息子たちが住むオーストラリアと、仕事のある日本とを往復する小島さん。日々の暮らしの中から生まれる思いを綴ります。
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最近はテレビでも取り上げられるようになった#MeTooキャンペーン。このほど、それに続く動きが立ち上がりました。#WeTooJapanです。「ハラスメントや性暴力にNO!」を幅広い人たちに広げていこうと、ジャーナリストの伊藤詩織さんやNPO代表らが立ち上げました。サポーターには学識者や著名人も名を連ねています。私も賛同しました。
WeTooとは、ハラスメントや暴力のない世の中づくりのために“私たちも行動しよう”という意味です。We say NO, too.当事者でなくても「それはダメ」「もうやめよう」と言おう。私たちも、見て見ぬ振りをやめよう、諦めるのをやめよう。だからUsではなくWeなのですね。
#MeTooキャンペーンに共感しながらも「自分は当事者じゃないし」と距離を置いていた人もいると思います。でも、電車で痴漢に遭うのも性暴力被害です。「被害者は遠い存在だし」と思っている人もいるかもしれません。でも、性暴力被害に遭っても言えずにいる人はたくさんいます。女性でも、男性でも。
「セクハラ以外にだってひどい目に遭っている人はいる」と思うなら、MeTooと根っこは同じです。ハラスメントや暴力が「あっても仕方ない」世の中から「あってはならない」世の中に変われば、誰もが安心して暮らせるようになりますよね。
#WeTooJapanは性暴力、セクハラ、パワハラ、SOGIハラ(性的指向や性自認に関するハラスメント)など一切の暴力を許さず、声をあげた人が一人にされない社会を目指すプラットフォーム。賛同する個人や企業、自治体を増やし、シンポジウム開催や署名、情報発信などの活動を広げていきます。
まずは半径2メートルから“ハラスメントはもうやめよう”を。「いまどきそれはありえないよね!」の一言は、案外パワフルなのです。
※AERA 2018年3月26日号