私の中では、今までやってきたことや結果が素晴らしいものという価値観が正直そこまでありませんでした。でも、この五輪で悔しい思いをした私以外にも、調子が良かったのに転倒して負けてしまう選手もいました。今回いろんな選手を客観的に見ていて、この舞台で結果を出すこと、そして過去に私がメダルを取ったことはすごいことなんだって、素直に思えたのです。

 何度も言うように、後悔だけはしていません。今季に入ってずっと不調で、もちろん人間だしイライラすることもあって、一緒に行動するチーム内ではぶつかり合いもありました。でも最後までみんな私を信じてくれたことがうれしかった。負けた日の夜は、みんなで食事に出かけ、お酒も飲んでワイワイしました。みんな「グッジョブ」と言ってくれた。そんな仲間に、感謝してもしきれません。

 まだレースが終わって数日しか経っていない今も、たくさんの感情が湧き出てきます。ここから連載の中で、それらについて記していきたいです。何より私を応援して頂いた読者の皆さん、本当にありがとうございました。これからも連載は続きます! よろしくお願いします!!(構成/西川結城)

AERA 2018年3月12日号

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竹内智香

竹内智香

竹内智香(たけうち・ともか)/1983年12月生まれ。スノーボードアルペン種目選手。ソルトレーク、トリノ、バンクーバーと冬季五輪に続けて出場し、2012年12月にはワールドカップで初優勝。ソチ五輪では日本人女性スノーボード選手で初のメダルとなる銀メダルを獲得。5度目の五輪となる平昌では5位入賞を果たした。

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