■POINT3 慣用的な表現を避ける


<NG>直前のお願いで恐縮ではありますがご検討いただければ幸いです。
I am sorry to hear from your last request but I would be pleased if you could consider it.

「締め切りに近い」の意味で使った「直前の」が「この前の(last)」と変換され、さらに「前回のリクエストを聞いて残念だが」と誤訳されている。日本語のメールでは慣用的に使う表現だが、そのままグーグル翻訳にかけても慣用的な英語にならない。

<まだNG>急なお願いで申し訳ありません。ご検討いただければ幸いです。
Sorry for the sudden request. I would be pleased if you could consider it.

「意味は通じなくないですが、不自然な表現のため推奨できません。この文はビジネスでの日本語によくある謝罪しながら依頼するタイプの文なので、そのまま訳すと不自然な英語になります。たとえばビジネス英語では安易に謝罪の表現にしないこと、そして慇懃無礼に取られることもあるのでpleaseを多用しないこと、といったポイントがありますので、それをふまえた日本語を作成する必要が出てきます」(関谷さん)

ビジネスの慣用的な日本語表現を、そのままグーグル翻訳にかけるのでは、英語は不自然なまま。「何の直前で」「何を検討してほしいのか」を明確に。

<OKだけど…>あなたが忙しいのは理解していますが、われわれのリクエストを検討してみてください。
I understand you are busy, but please consider our request.

「どうしてもpleaseが取れませんが、NGではないところまで来ていると思います。わたしだったらこのように訳します」(関谷さん)
I know this is a last-minute request, but it would be great if you could give it a thought.(直前のリクエストだということは承知していますが、本件についてご検討いただけますと幸いです)

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