次に法律の要件ですが、これは二つあり、その両方を満たすことが必要です。ひとつは、同じ事業主に連続して1年以上雇用されていること。多少の間が空いたとしても実質的につながっているとみられることもあります。もうひとつは、子どもが1歳6カ月になる日までに、契約の期間が満了することが明らかでないことです。それより前に期間が満了する短い契約であっても、終了時期が明確に定められていない場合はチャンスがあります。

 育休を申し出た後に、契約の更新回数の上限を定めたり、更新しないとしたりすることはマタハラ(パタハラ)に該当する可能性があります。あくまでも、申し出た時点で判断されます。

 育休妨害に遭ったときには、専門家に相談することをおすすめします。

Q3 契約社員に賞与が出ません。不公平では?

 この会社では過去最高益を記録したとのこと。正社員には、やはり過去最高額の賞与が出たそうです。しかし、契約社員には従来と同じようにゼロ円でした。

 労働契約法20条には、期間の定めのある契約の労働者(有期雇用の労働者)と、期間の定めのない労働者(無期雇用の労働者)との間に不合理な差別があってはならないという規定があります。

 ご質問の場合、有期雇用が契約社員、無期雇用が正社員です。担当している仕事によっては、この規定で不合理とされる可能性があります。

 たとえば、担当している仕事が正社員の仕事とほぼ変わらないような場合、賞与がゼロであることはさすがに不合理であるといえます。

 異なる場合でも、その会社で働いて利益に貢献しているのであれば、「賞与がゼロでいいのか」という問題があります。

 金額は個別に決めるにしても、正社員に対して職務内容や貢献などを考慮して賞与を支給している企業で、有期雇用労働者に対してだけ賞与をまったく支給しないというのは、不合理な差別であると言えるでしょう。

 まず、自分の仕事が正社員と比べてどうか、正社員にはどのような基準で賞与が支払われているのか、そうした情報が必要になります。これらを調べてみましょう。

AERA 2018年2月26日号