(c)朝日新聞社
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平昌五輪で予想される演技構成<ショートプログラム>(AERA 2018年2月19日号より)
平昌五輪で予想される演技構成<ショートプログラム>(AERA 2018年2月19日号より)
平昌五輪で予想される演技構成<フリースケーティング>(AERA 2018年2月19日号より)
平昌五輪で予想される演技構成<フリースケーティング>(AERA 2018年2月19日号より)

 平昌五輪が開幕した。羽生結弦にとっては昨年11月のケガからの復帰戦であり、男子で66年ぶりとなる五輪連覇を狙う舞台となる。あの転倒から約2カ月、練習できない日々が続いた。目指す金メダルは、その視線の先に見えているのだろうか。

【図表】平昌五輪で予想される演技構成はこちら

 日本スケート連盟の小林芳子フィギュア強化部長が、羽生結弦(23)が練習を再開したことを明かしたのは1月16日。その約1週間前から氷上練習を始めていたという。男子のショートプログラム(SP)が行われるのは2月16日。羽生は練習期間1カ月ほどで、連覇を目指す平昌五輪を迎えることになる。

 練習再開後、短い期間で失敗の確率を低くするには、4回転ジャンプの種類を絞ったほうがいい。これまでの実績から分析すると、高難度の4回転ルッツや4回転ループを無理に跳ぶ必要はなさそうだ。4回転サルコーと4回転トーループだけで、十分に高得点を狙える。

 今季序盤の大会のSPが、このことを証明している。

 羽生のSP自己ベストであり世界歴代最高得点でもある112.72点は、今季初戦、2017年9月にカナダ・モントリオールであったオータム・クラシックで出したものだ。このとき、右ひざに違和感があった羽生は4回転ループを回避。4回転サルコー、3回転アクセル、4回転トーループと3回転トーループのコンビネーションというジャンプ構成だった。

 SPの今季ベストで羽生の次に高い得点を出しているのは、スペインのハビエル・フェルナンデス(26)。フランス杯で完璧なSPを披露し107.86点をたたき出したが、羽生の自己ベストとは約5点の開きがある。

 羽生は11月9日、NHK杯の練習中に4回転ルッツを跳んで右足首を捻挫(ねんざ)。当初の診断は足首外側の靱帯(じんたい)の損傷だったが、その後、腱と骨にも炎症があることがわかったと発表された。

 4回転ループは右足首だけで踏み切るジャンプ。右足の外側のエッジに乗って後方に滑り、反時計回りに円を描きながら跳び上がる。右足に負担がかかるこのジャンプと、ケガをした4回転ルッツは避けたい。

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