──劇中では獅童さんが勝海舟、松岡さんが影武者という役どころ。実際、お二人はよく間違えられるそうですね。

獅童:そうなんです。よくぞ、この役どころを書いてくださった!という気持ちです。以前、あるおすし屋さんですごいサービスしていただいたことがあって。最後にお礼を言ったら、大将が「いつも(TOKIOメンバーの)山口くんによくしてもらっているから」って(笑)。

松岡:そういえば僕も、舞台中なのに、行ってもいない相撲を見に行ったことになってたことあったな(笑)。

獅童:今回はついに来る時が来たな、と。

松岡:笑い話が現実になりましたね。獅童さんとがっつり組むのも初めてです。

獅童:松岡くんは頭が良くて、歴史に詳しいんですよ。トークもうまいし、おとこ気があるから男性人気が高いのも納得できる。昔、「ポケベルに憧れて、万歩計を腰につけてた」っていう話を聞いて、もう、この人大好きだなってほれました(笑)。

松岡:買えなかったから。みんなが「彼氏からメッセージ来た」とかやってる時に、俺は「今日は5千歩か」って万歩計を確認してたんですよ(笑)。アクションは一緒だからバレないの。

獅童:最高だよね(笑)。

松岡:獅童さんは、僕らにはない「型」を持っている。歌舞伎以外の芝居では、その型を一回崩されるんですよね。自由なんです。全部ぶっ壊すんだけど、ふとした瞬間やここぞという場面で、さりげなく型でキメるんです。「ごめん、俺、歌舞伎役者だから」と言うかのように。

 そういう部分は自分にはまねできませんが、舞台はすごく好きなんです。自分にとって舞台は「勉強の場」。理想は、映像作品を三つやったら、一つ舞台をやりたいです。映像だと目を動かすだけで芝居が成立するけど、舞台は全身がさらされます。自分の芝居の幅を固めないためにも、舞台をやり続けたいと思っているんです。

──三谷さんは「新橋演舞場史上、もっとも笑えるコメディーにする」と宣言されています。

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