三谷幸喜の新作舞台「江戸は燃えているか」は、東京・東銀座の新橋演舞場で3月3日から26日まで。松岡茉優、高田聖子、八木亜希子らも出演
三谷幸喜の新作舞台「江戸は燃えているか」は、東京・東銀座の新橋演舞場で3月3日から26日まで。松岡茉優、高田聖子、八木亜希子らも出演

 三谷幸喜が「新橋演舞場史上、もっとも笑えるコメディー」と銘打って書き下ろした幕末群像劇「江戸は燃えているか」の幕が上がる。勝海舟役の中村獅童とその影武者を演じる松岡昌宏が語る三谷ワールド──。

*  *  *

──お二人とも三谷幸喜さんの作品は久しぶりですね。三谷作品の魅力はどんなところにありますか。

松岡昌宏:三谷さんとは、「ロスト・イン・ヨンカーズ」以来4年ぶりの舞台。再び声をかけていただけたということは、あの時の自分は役者として大丈夫だったんだなと、やっと安心できました。

中村獅童:僕なんて、大河ドラマ「新選組!」以来14年ぶりだよ。それまで全然声をかけてもらえなかったから、絶対嫌われたんだと思ってました。何回も呼ばれている人だっているのに……チクショーって(笑)。

松岡:三谷さんの作品って柔軟性があって、いろいろな角度から楽しめるのが魅力ですよね。見た人がそれぞれ違うところで笑っていたりするように、違う角度の物語が同じ作品内に収まっているのが「三谷ワールド」だと思います。

獅童:まだ20代の頃、同学年ということもあって、何かと意識していた市川染五郎さん(現・十代目松本幸四郎)が三谷さんの舞台に出ているのを見て、嫉妬したことがありました。それからずっと、自分もいつか三谷さんのような演出家の作品に呼ばれるようになりたいと思っていたんです。

 僕は「ピンポン」という映画で、世の中に知ってもらったのですが、演じたのはこわもてで強烈なキャラクターでした。その後、初めて出演した三谷さんのドラマ「HR」で一転、おちゃめでひょうきんな不良という三枚目の役をもらったんです。「怖そうな獅童」という印象を壊して新たな一面を引き出してくれたのが、三谷さんでした。

 そして今回の舞台での役も、ちょっと間抜けで情けない勝海舟。本番がどうなるか、楽しみにしてます。 

松岡:キャスト陣も、全員が主役を張れる人たちばかりですしね。宝塚出身、お笑い芸人などジャンルもさまざまで、ボーッとしてたらいろんな人に食われちゃうくらいの顔ぶれ(笑)。それぞれ芝居に対するアプローチの仕方が違うから、稽古が面白いんですよ。

次のページ