横田ヒロミツ准教授(手前の白衣)、平野聖教授(右から2人目)と3、4年生の学生5人(撮影/楠本涼)
横田ヒロミツ准教授(手前の白衣)、平野聖教授(右から2人目)と3、4年生の学生5人(撮影/楠本涼)
コンピューターで制作した3D画像を見る学生たち(撮影/楠本涼)
コンピューターで制作した3D画像を見る学生たち(撮影/楠本涼)

 AERA本誌のがん治療特集で、イラストを担当した川崎医療福祉大学(岡山県倉敷市)は、「医療福祉デザイン学科」という異色の学科を抱える。その活躍の場は、どんなところにあるのか。

【写真】コンピューターで制作した3D画像を見る学生たち

 医療福祉デザイン学科は1学年40人(定員)。医療や福祉の知識習得、病院などでの実習を踏まえて、手描きから3DCGまで、デザインスキルやセンスを学ぶ。イラスト指導をする横田ヒロミツ准教授(57)と学生が、コンピューターグラフィックスでイラストを制作。同学科で教える医師が監修してくれた。

 学科長の平野聖(きよし)教授(64)によると、主として病院や福祉施設で活躍できるデザイナー養成に力を注ぐ。ホームページや広報、院内掲示、メディカルイラストレーションを外注してきた病院などが、トータルにデザインできる人材を雇うケースが増えているという。横田准教授は、「いくらテクニックがあっても、医学・医療知識がないと描けない。文字ばかりでは患者の理解は進みません。人体や病気についてデザインで理解が進めば、現場の医師にも意味がある」と説明する。

 4年生の川之上佳里(かわのうえかり)さん(22)は4月、岐阜県内の総合病院に事務職で就職する。「デザインで医療に役立てることはうれしい。就職先で人材も育成していきたい」。デザイン専攻生が求人の条件だった。(編集部・金子桂一)

AERA 2018年2月12日号より抜粋