と、森下さん。こうした発酵タイプの漬物は、1グラム中に10億個以上もの乳酸菌を含む。これはヨーグルトの約100倍。実は漬物のほうが少量で効率的に乳酸菌を摂取できるのだ。

 また同研究所が生姜漬から発見し、17年に発表したL・プランタルム菌の一種である「Q-1乳酸菌」の効果にも期待が高まる。肌の目立つ毛穴数が減少し、計算時間が早くなるといった効果が得られたという。

 さらに、まだ動物実験レベルだが、このQ-1乳酸菌は白菜と一緒に食べると、大腸がんの抑制機能がある酪酸の濃度が高まり、より健康効果が得られるとの研究結果もある。残念ながら、一般的な漬物にはQ-1乳酸菌は含まれないが、同社ではこの乳酸菌入りの漬物を発売。さしずめ新型漬物、というところか。日本の発酵食は奥深いのだ。(編集部・市岡ひかり

AERA 2018年1月29日号より抜粋