明治大学は女子高生が入りたい大学No.1(※写真はイメージ)
明治大学は女子高生が入りたい大学No.1(※写真はイメージ)

 少子化が進む中、大学もブランド改革に余念がない。八重洲ブックセンター本店の副店長・木内恒人さんがおすすめする『あの明治大学が、なぜ女子高生が選ぶNo.1大学になったのか? 奇跡を起こすブランドポジションのつくり方』(上阪徹著)は、明治大学が行ったブランドの大改革にフォーカスした一冊だ。

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 一昔前は「バンカラ」なイメージが強かった明治大学だが、今では女子高生が入りたい大学No.1なのだという。しかし、ただの人気大学の紹介本だと思ったら大間違い。老舗会社が、顧客(この場合は入学志願者)数激減という危機をバネに、ありとあらゆる改革を実行して、そのブランドポジションを変えていく経営戦略の話といえば、がぜん興味がわいてくるビジネスパーソンも多いのではないか。

 全学部統一の入試問題導入、全国の主要都市に広げた受験地、漫画や数学についての新しい学部のスタート、全世界にひらけた留学制度、これでもかの就職支援、それらを広く知ってもらう「攻める」広報部門など、著者の綿密な取材が数々の改革に込められた思いを明らかにしていく。女子高生人気No.1は見事なマーケティングの成功例なのだった。

AERA 2018年1月29日号