平均結婚年齢は夫婦とも初婚の場合は男性30.7歳、女性が29.0歳(2015年時点)というこのご時世、昭和40年代にタイムスリップしたかのようだ。

 しかし、晩婚化に無縁なのは男性銀行員に限った話のようで、前出の佐竹さんによれば、同社では女性銀行員の登録が年々増えているという。

 女性総合職の場合、ハードな仕事に耐える精神力、待遇ともに男性総合職と同等なので、どうしても自分より「格上」を求めると対象が減ってしまいがち。学生時代からのカレや、仲良くなった同期と早めにゴールインしない限り、「気がつくと、周りのまともな男は全員既婚者」といった状況になってしまうという。

 また一般職女性も最近、かなり高学歴化しており、「東大や早慶上智出身の子がごろごろいる」(みずほ銀行男性、32)。彼女たちは、全国転勤が嫌で、結婚後も長く働くために、あえて一般職を選んでいるケースも多い。となれば、全国転勤が確実な総合職男性を、わざわざ選びたくはないのかもしれない。

 さらに一般職といっても、かつてのような「サポート役」に留まらない高度な業務を担い、上昇志向の強い女性たちもいる。

「男性を見る目もシビアで、将来ちゃんと出世しそうかどうか、厳しくチェックしている」(前出の支店長)という。

 メガバンクの一般職時代、転勤がイヤで行内で相手を見つけられず、その後自らのキャリアアップを目指して外資系銀行に転職した女性(34)は言う。

「年収1千万円以上という条件は譲れません。周りの独身の金融女子も皆、自分の倍は稼いでほしいと言ってます」

 この女性が求めるもう一つの条件は「野心家であること」。

「日本の銀行マンって、どちらかというと草食系。いい子ちゃんすぎて物足りないんです」

 かくして、できる女性銀行員たちのハードルは高まっていく。(編集部・石臥薫子)

AERA 2018年1月22日号