これは銀行が破綻したケースではないが、住宅ローンの返済中でも銀行の破綻をそれほど心配する必要はないということだ。もちろん、銀行が代わる手続きなどの手間はかかるだろうが、いきなり一括返済を迫られる可能性はほぼないと言える。

 銀行では今日も、大手や中小の区別なく多種多様なキャンペーンを行っている。退職金の振り込みがあることから、リタイア前後の人をターゲットとすることが多い。例えば、公的年金の受取口座を設定したら預金金利が上がるとか、定期預金と投資信託や外貨預金をセットで申し込むと、やはり金利が上がるなどといったものである。

 これらのサービスは、その後確実にあれこれとセールスを受ける運命が待っている。その覚悟が必要である。目先の有利さにつられて利用すると、後で大変なことになりかねない。注意が必要だ。(ファイナンシャルプランナー・菱田雅生)

AERA 2018年1月22日号より抜粋