PFFに入選したあとも、長谷川さんの脚本づくりのお手伝いをしていました。それは、なんとなく長谷川さんの次回作は僕が助監督をやることになっていたからですが、次の現場が一向にこない……。僕は趣味の8ミリ映画を撮っていたので助監督として現場がないことをさほど悩んでいなかったけど、長谷川さんは申し訳ないと思って、当時、長谷川さんが立ち上げたディレクターズ・カンパニーに入れてくれることになったんです。結局、長谷川さんの助監督をやる前に、商業映画の監督としてデビューすることになって今日に至っている。本当にすべて長谷川さんのおかげだということと、人生なんてどうなるか分からないってことですね(笑)。

(ライター・大道絵里子)

AERA 2018年1月15日号