「人とのつながりを大切にし、地域に根差した神職になりたい」と、和田さん(左)と川元さん (撮影/加藤夏子)
「人とのつながりを大切にし、地域に根差した神職になりたい」と、和田さん(左)と川元さん (撮影/加藤夏子)

「男の仕事」のイメージが強い神職の世界で女性が増えている──。そう聞いて訪れたのが、国学院大学(東京都渋谷区)の渋谷キャンパス。神社本庁が制定した神職資格を取得できる神道文化学部があることで知られる。同学部3年の和田美咲さん(20)は、笑顔で話す。

「小さいころから神社で遊び、地域の方々と関わっていくうちに、神社を継ぐのは必然的かなって思いました」

 実家は1500年近い歴史を持つ、群馬県安中市にある咲前(さきさき)神社。父親(53)が宮司で、身近な神社は心のふるさとでもあった。神職になろう──。小学校のころから何となく決め、大学で伝統文化の大切さを学ぶうちに神職への道は確固たるものに。卒業後は、実家の神社に奉職し、ゆくゆくは跡を継ごうと決めている。

 国学院大学によると、2017年度の神道文化学部における女性の比率は32%と、10年前より4ポイント増えた。中でも最近は、神道を学びたいという一般家庭の学生が増えているのが特徴だという。

 同学部4年の川元日菜子さん(22)も、そんな一人。

著者プロフィールを見る
野村昌二

野村昌二

ニュース週刊誌『AERA』記者。格差、貧困、マイノリティの問題を中心に、ときどきサブカルなども書いています。著書に『ぼくたちクルド人』。大切にしたのは、人が幸せに生きる権利。

野村昌二の記事一覧はこちら
次のページ