50代宮司:大学卒業後に神社に入り、数年前、宮司になりました。少し前まで職員は実質自分ひとりだけ。掃除や七五三のカメラマン、お札配りや経理、すべてやっていました。最近、子どもが手伝ってくれるようになり、助かっています。後継者問題は切実ですよね。若いお2人は、葛藤はなかったんですか。

 20代神職:大学時代に、「みんなと同じように遊びたい」「就職したい」という思いもありましたが、父親に後を継いでほしいと言われて。そういう家に生まれたのも大きいと思います。

 20代権禰宜:最初は嫌でしたが、神職養成講習会で神道の基礎を学んで、考えが変わりました。同世代の同期と話したことも大きかったですね。多くの同期が、神社の今後に問題意識を持っていました。

 40代宮司 維持管理や経営面で、神社が存続可能かということ?

 20代権禰宜:そうです。なり手も減って、収入も高くなく、専業神職は限られた神社でしか成立しない。同期の中には、有名神社の跡取りもいましたが、問題意識は共有していたと思います。

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