新年は宝塚大劇場公演「ポーの一族」で幕を開ける。少年のまま永遠の刻を生きるバンパネラが主人公の物語は、萩尾望都による同名の漫画が原作。少女漫画史上に燦然と輝く名作だ。脚本・演出は、宝塚歌劇のみならず、現代ミュージカル界屈指の小池修一郎。

「ことの重大さに身が引き締まる思いです。バンパネラの少年が抱える哀しみ、葛藤を、どのように表現できるのか。目の寂しさ、結んだ口元、後頭部のオーラ、背骨のライン……いろいろな要素を自分なりに埋めていきたい」

 タカラヅカの舞台でトップスターが浴びるスポットライトは強烈だ。明日海りおは、その光を繊細なプリズムに変えて、きらめきを放射する。(ジャーナリスト・清野由美)

AERA 2018年1月15日号