楽天イーグルスが導入したVRトレーニング 記者が体験してみた 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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楽天イーグルスが導入したVRトレーニング 記者が体験してみた

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市岡ひかりAERA

VRトレーニング NTTデータ/試合中のバッターボックスをリアルに体感できる(写真:NTTデータ提供)

VRトレーニング NTTデータ/試合中のバッターボックスをリアルに体感できる(写真:NTTデータ提供)

VRトレーニング NTTデータ/実際に相手チームの投手が投げたボールの軌跡と投球映像をVR空間に合成(写真:NTTデータ提供)

VRトレーニング NTTデータ/実際に相手チームの投手が投げたボールの軌跡と投球映像をVR空間に合成(写真:NTTデータ提供)

VLabo フェンリル/バレーボールの試合動画を分析し、見たいシーンだけ切り取って確認できるアプリ。プレーの振り返りや相手チーム対策にも(撮影/市岡ひかり)

VLabo フェンリル/バレーボールの試合動画を分析し、見たいシーンだけ切り取って確認できるアプリ。プレーの振り返りや相手チーム対策にも(撮影/市岡ひかり)

 日本の「お家芸」のバレーボールでもITの活用が始まった。支えるのは大阪のベンチャー企業・フェンリルだ。2015年から全日本女子バレーボールチームが採用する動画分析アプリ「VLabo(ブラボー)」を開発。17年10月、一般向けにも公開を始めた。

【写真】実際に相手チームの投手が投げたボールの軌跡と投球映像をVR空間に合成

 このアプリは、試合中の映像とデータを入力すると「○○選手の成功レシーブ」などシーンを抽出して振り返ることができ、監督が戦術を立てたり、選手が自身のプレーを振り返ったりすることにも役立つ。

 実はこれまで20年近く、バレーボール関連のソフト開発はイタリアの独壇場だった。開発担当の田代収さんは言う。

「日本のソフトウェアの力で変えていきたい。将来的には、映像を複数人で共有し、例えば地方のバレーチームの練習映像に、東京のスポーツアナリストがコメントをくれる、というようなネットワークが作れたら」

 トレーニングにITを活用する試みは、プロチームにも根付き始めている。プロ野球の楽天イーグルスでは、17年からNTTデータが提供するVRを活用したシステムを導入。他チームの投手の投球がVRでリアルに体験できるというものだ。

 そこで記者も体験。まずゴーグルをつけると、目の前に晴天のKoboパーク宮城のスタジアムが広がった。観客の歓声もリアルだ。それもそのはず。すべて実際のスタジアム映像を基にVR空間に合成し、バッターボックスに立った時の臨場感を再現しているからだ。投手が振りかぶると、次の瞬間、豪速球が。は、速い……。ほとんど投球は見えなかったが、球の軌跡は点線で表示。一球一球、リアルな選手の映像を用いるため、リリースのポイントや投球前のモーションも参考にできる。

 ただ苦労したのは「見え方」だ。実際の映像を基にバッターボックスや投手などを仮想空間に正しい位置で配置している。それでも選手からは「実際のスタジアムと見え方が違う」との意見があったという。

「選手によってはボールが止まって見えたり、投手が大きく見えたりする。技術者目線で改善しても、そのギャップはなかなか埋まらない。課題ですね」

 と、開発に関わった鈴木賢一郎さんは言う。

 常人を超えたアスリートの感覚にITがどれだけ寄り添えるか。その挑戦の先に、スポーツの新しい可能性を見た。(編集部・市岡ひかり)

AERA 2018年1月1-8日合併号


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