エンターテインメント集団 BOYS AND MEN/学ランをベースにしたゴージャスな衣装は海外でも人気の的。前列左から平松賢人、田中俊介、吉原雅斗。中列左から土田拓海、勇翔、田村侑久、本田剛文、小林豊、辻本達規。最後列は水野勝(写真:芸能事務所所属)
エンターテインメント集団 BOYS AND MEN/学ランをベースにしたゴージャスな衣装は海外でも人気の的。前列左から平松賢人、田中俊介、吉原雅斗。中列左から土田拓海、勇翔、田村侑久、本田剛文、小林豊、辻本達規。最後列は水野勝(写真:芸能事務所所属)

 自称「名古屋の町おこしお兄さん」。東海地区出身・在住者10人からなる名古屋発のエンターテインメント集団「ボイメン」ことBOYS AND MENのことだ。2017年は夢だった日本武道館コンサートを実現させ、全国ツアーも大成功。18年はさらなる飛躍が期待される。

「武道館のステージに立てたことで『原点回帰』できました。スタート当時の『夢を追いかける楽しみ』をまた思い出せた。だからこそ、全国ツアーも充実したものになったと思います」

 と小林豊さん(28)。

 10年に、名古屋で活動できる男性タレントの育成を目指すプロジェクトとして、テレビ番組連動オーディションを経て結成。多い時は100人超が在籍したが、結成から2、3年は「(CDが)売れない」「(観客が)増えない」「(知名度が)上がらない」のないない尽くし。認知度を上げるため、メンバーが町中でチラシを配ったこともある。

 なかでもつらかったことの一つが「ダンス」だった、と辻本達規さん(26)は言う。

「互いに『これはこうじゃないんじゃないか』『いや、これはこうだろ』と振り付けを確認し合うんですが、みんな素人なので、方向性が合っているかどうかさえわからない。メンバーでぶつかることも多かった。それでも、朝から晩まで公園で毎日やるんです。『練習になっているのかな』と思いながら」

 もちろん演出や振り付けの先生はいる。だが、田中俊介さん(27)は言う。

「先生方の拠点は東京。名古屋にいる僕たちはめったにお会いできない。ダンスなら指導を受けられるのは振りを付けてもらう日1日だけ。自分たちへの振りなので見本もないし、とにかく練習するしかなかったんです」

 必死に努力しても本番で先生に「全然できていないじゃないか」と怒鳴られたり、公演自体がなくなったり。「やってられない」「将来が見えない」とメンバーは次々抜けていった。

 10人になったのは16年。

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